帯芯を使用した天竺バック
・天竺とは
インドの旧名である「天竺」が由来で太めの糸を使った平織の生地です。インドから輸入した生地を「天竺木綿」と呼んでいたことから名付けられたと言われています。メートル幅のシーチングと区別が難しいところですが、主に天竺は昔ながらの尺幅で生産され染織材料店などでも流通しています。
・下描き~本縫い
はじめに4Bの鉛筆で主体のデザイン画だけを描き、黒のポリエステル糸で輪郭線を平縫いしていきます。また、足元の草木には縫い目を戻したり進めたりし表現に強弱をつけていきます。メインを粗縫いした後、さらにデザインを加え一筆書きのように文字を縫っていきます。さらに、仕上がりの本縫いですが色糸を使い輪郭線に沿って色味をつけていきます。強調する箇所は縫いを多くいれて表現します。




・仕立て
まず、裏地となる帯芯をデザイン画裏に縫い付けさらにバック本体の底部分に固定した後、本体の裏にも帯芯を取り付けます。さらに本体が袋状になるよう中表に折り畳み脇を縫い上げます。外表に戻し本体が完成します。



・仕上げ
仕上げのアイロンは内側からはじめ、表側は上下・サイドの縫い目を伸ばすようにかけていきます。粗熱が取れた後、中央の間仕切りはそのままとし外側の持ち手にベルトを仮綴じし、4箇所を閂止めで留めてから隠し綴じで固定します。


・おわりに
帯の表裏の間に入れる帯芯には適度な硬さと厚みがあります。主に綿芯が使用されていますが他にも絹芯などの素材があります。さらに、厚みなどを選択すると異なる風合いが楽しめます。それではまたのご依頼をお待ちしております。