木綿絣で作るフレアースカート
・絣
絣とはテキスタイルの技法のひとつで、絣糸を用いて文様を表現したものです。起源はインドからと言われていますが、日本でも法隆寺裂の中に「太子間道」とよばれる絹の経絣があり古くから絣が存在していたことを裏づけています。そもそも、「絣」は日本の織物を指す用語で「加寿利」「飛白」「纃」の漢字も同様の意味があります。また、定説化はされてはいませんが模様が掠ったようになること、または琉球絣をカシィリィーということを語源とする説があります。今回は、日本三大絣のひとつ「久留米絣」を使い繊細な模様を組み合わせたフレアースカートを製作致します。

・製作前
はじめに、デザイン画からスカートの形を整形し全体のクオーター分を割り出し前中心から脇までをさらに4分割します。最後に実寸法を厚紙におこして型紙の完成です。

・裁断
使用する絣の配置を決め型紙に合わせて裁断します。接ぎ合せの縫代は15mmとします。

・縫製
縫いは全て手縫いとし、はじめに経地の接ぎ合せをします。布地を中表に合わせ5mm幅で縫い、次に表側に返し10mm幅で縫い上げます。この縫製技法は袋縫いといい、通常袋状になった縫代を裏側にするのですが、あえて表側に見せて絣地のジョイントに立体感が出るように仕上げていきます。但し、サイドはフレアーのシルエットをバックラインは起居動作を踏まえたうえで、脇縫いの縫い代は裏側にし背面の中心は割縫いの三つ折りで始末します。また、裾の滑りを良くする工夫として、着物の裏地に使用される八掛地を裏側に取り付けました。ウエストは7cm幅のゴムベルトを縫い付け、背面の中心はファスナーとカギホックで仕上げます。上部縫い代の始末にはバイヤステープを使用し整えます。




・おわりに
出来上がりは80cmほどのロングフレアースカートになります。久留米絣の温かみのある繊細な模様とともに、括りによって防染された白と藍のコントラストがジャパン絣の極みをさらに引き立てています。それでは、またのご依頼をお待ちしております。
